データ更新指標の読み方

2025年国勢調査で、街の数字が新しくなった

— 5年で人口が増えた市区町村は1,734のうち164。データ更新の見どころ

街の通信簿の数字を、2025年の国勢調査(令和7年 人口等基本集計・2026年9月29日公表)などの最新統計に更新した。人口・高齢化率・外国人比率が、5年ぶりに新しくなっている。この5年で人口が増えた街はどれくらいあるのか。高齢化率が半分を超える街は増えたのか。丘田ちひろが、更新された数字の中から「まず見てほしいところ」を、理由の推測を混ぜずに並べる。

丘田 ちひろ / 街の通信簿 移住・街選び・住まい AI ライター総務省「令和7年国勢調査 人口等基本集計」(2026年9月29日公表)・「令和2年国勢調査」。高齢化率・外国人比率は不詳補完値。比較は政令市の行政区と避難指示7町村を除く1,734市区町村

この記事の結論(3行)

  • 日本の人口は2020年から2025年の5年間で約317万人(2.5%)減った。人口が増えた市区町村は1,734のうち164、減ったのは1,570。東京23区は23のうち20で増えた。
  • 高齢化率は全国で28.5%から29.4%へ。高齢化率が50%以上の市区町村は59から115になった。外国人比率は全国で2.18%から3.12%へ上がり、1,734のうち1,681の市区町村で上がった。
  • 数字の更新にあわせて、全国の中での位置にもとづくグレードを算出し直した(1,912市区町村のうち271件が変わった)。変化は「街が良くなった/悪くなった」ではなく、全国の中での位置が動いたことを示す。

5年で人口が増えた市区町村は、1,734のうち164

日本の人口は、2020年の1億2,614万6,099人から、2025年には1億2,297万2,528人になった。5年間で約317万人、2.5%の減少だ。市区町村ごとに見ると、この5年で人口が増えたのは1,734のうち164。残る1,570では人口が減った。1,734の市区町村の増減率を並べると、真ん中の街は−7.0%になる。

増えた164のうち、31は東京都の市区町村だ。とくに東京23区は、23のうち20の区で人口が増えた。東京都以外で増えたのは133の市区町村になる。

ここでの「増えた」「減った」は、2020年10月と2025年10月の、2つの国勢調査の総人口を比べたものだ。1年ごとの転入・転出とは別の、5年という長さでの変化である。

増えた人数で並べるか、増えた割合で並べるか

増えた人数がいちばん多かったのは大阪市(+52,959人)で、福岡市(+50,401人)が続く。区では江東区が+29,192人、市ではつくば市が+27,176人だった。人数で並べると、もともと人口の多い大きな都市が上に来る。

割合で並べると、顔ぶれが変わる。2020年の人口が1万人以上の1,210市区町村で比べると、増加率がいちばん高かったのはつくば市の+11.2%(24万1,656人→26万8,832人)。続いて台東区+7.9%、流山市+7.6%、印西市+7.5%、東京都中央区+7.5%だった。

人口1万人未満の町村は、数十人の転入や転出で率が大きく動くため、この比較からは外した。人数と割合のどちらか一方だけでは、街の変化の大きさを取り違えやすい。気になる街は、その街のページで両方を確かめてほしい。

高齢化率は全国29.4%。真ん中の街は36.8%

65歳以上の人の割合(高齢化率)は、全国で28.5%から29.4%になった。高齢化率が50%以上の市区町村は、5年前の59から115になった。40%以上で数えると、447から642になる。

全国の値と、街ごとの値は、並べて読むと印象が違う。1,734の市区町村を高齢化率の順に並べたとき、真ん中の街の値(中央値)は34.7%から36.8%になった。全国の値より7ポイントほど高いのは、人口の多い都市部の高齢化率が低めで、全国の値を引き下げているためだ。人口全体で見るか、街ひとつずつで見るかで、数字の意味が変わる。

一方で、高齢化率がこの5年で下がった市区町村も126あった。全国的に高齢化が進むなかでも、すべての街が同じ向きに動いているわけではない。

外国人比率は全国3.12%。1,681の市区町村で上がった

住民に占める外国人の割合(外国人比率)は、全国で2.18%から3.12%になった。人数では274.7万人から384.0万人へ、約109万人増えている。1,734の市区町村のうち、1,681で外国人比率が上がった。真ん中の街の値は1.01%から1.67%になった。

外国人比率が10%以上の市区町村は、5から21になった。ただし人口の少ない町村では、数十人の変化で割合が大きく動く。外国人比率も高齢化率と同じく、年齢や国籍が「不詳」の人を按分した値(不詳補完値)を、2020年と2025年の両方で使っている。同じ定義どうしの比較だ。

能登の市町の数字について

2025年の国勢調査は、2024年1月の能登半島地震と、同じ年の9月の豪雨のあとに行われた。この調査で、石川県の珠洲市の人口は2020年と比べて−34.6%、輪島市は−28.3%だった。

この減少のうち、どれだけが災害によるものかは、国勢調査の数字からは切り分けられない。そのため本稿では、減少の大きさで市区町村を順位づけることはしていない。これらの街には、今も暮らしを続けている人がいる。数字は、その街の一時点の記録として読んでほしい。

あわせて変わったこと

数字の更新にあわせて、各街のグレードを算出し直した。1,912市区町村のうち271件(14.2%)で総合グレードが変わった(上昇125件・下降146件)。当サイトのグレードは、全国の市区町村の中での相対的な位置を示す。段階の区切りは新しい分布の同じ位置へ置き直したので、全国的に高齢化が進んだことだけで多くの街のグレードが下がることはない。変化は「街が良くなった/悪くなった」ではなく、全国の中での位置が動いたことを示している。

ほかにも、いくつかの見直しをした。

・これまで「地価」と表示していた値は、国土交通省 不動産情報ライブラリの宅地の取引価格(2022〜2024年の中央値)で、公示地価とは別の統計だ。そのため呼び名を「土地の取引価格」に改めた。
・原子力災害の避難指示が出された福島県の7町村は、グレードと順位の比較の対象外とし、各町村のページに理由を記載した。
・アニメツーリズム協会「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」は2026年版に対応した。選ばれた作品の舞台となっている市区町村は100で、一覧から確かめられる。

変更の全体と理由は、データについての更新履歴にまとめている。

気になる街の数字を、確かめてみる

国勢調査は5年に一度、全国のすべての街を同じ物差しで測り直す調査だ。人口が増えた164の街にも、減った1,570の街にも、それぞれの事情がある。数字はその事情までは教えてくれない。それでも、何がどれだけ動いたかを知ることは、街を見る最初の手がかりになる。

気になる街があれば、その街のページで人口の推移(2025年まで)と、高齢化率・外国人比率の全国の中での位置を確かめてほしい。トップページから、街の名前で探せる。

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